私立医学部の入試って?
この数十年の間に、私立医学部の入試は様変わりをいたしました。
医学部の人気は、戦後から一貫して上がってはいるものの、その昔は私立医学部の中では、比較的合格しやすいと言われる大学もありました。
近年、受験生は「行きたい大学」よりも「行ける大学」を選ぶ傾向があり、一般入試の前に行われる学校推薦型や総合選抜など、いわゆる推薦入試で進学先を選ぶ受験生も多くなってきています。少子化の影響もあり、大学を選ばなければ「全入時代」が来ようとしているというにも関わらず、高校生の進学先として、"医学部"を選ぶ学生は増加傾向にあり、いずれの大学においても倍率が上がっている状況が続いています。
その背景として、私立医学部を受験するうえで懸念事項となりがちであった学費面に関して、2008年に順天堂大学が学費を値下げしたことを皮切りに、2013年東邦大学、2018年日本医科大学、2020年には東京医科大学と、次々と学費を大幅に下げたことも要因としてあるでしょう。直近では、2022年に関西医科大学が6年間の学費の総額を670万円値下げ、同年に大阪医科薬科大学においても300万円の値下げの発表がされました。学費を下げることで多くの受験生を集め、より優秀な学生を受け入れていく狙いもあるといえるでしょう。現に、他学部を志望していた優秀な受験生が私立医学部へ、また国公立医学部志望の受験生も私立医学部に流れるようになってきました。
実際に大手予備校の私立医学部ランキングを ①1995年vs ②2024年で確認すると、慈恵医大①62.5/②70、 順天堂①62.5/②70 、日本医大①62.5/②70、東京医大①65/②67.5、 東邦①57.5/67.5 、関西医大①62.5/②67.5、といったよう、いずれの大学においても偏差値が上がってきている現状です。こういったことも鑑みたうえで、今後も医学部の人気傾向は変わることはなく、かつて言われていたような合格しやすい医学部はないと言えるでしょう。
さて、これから、医学部入試はどのようになっていくのでしょうか?
文部科学省からの通達にもあるように、2022年4月に新学習指導要領が開始されました。それに伴い、2025年度から新課程入試が始まります。学習指導要領は10年に1度改訂され、今回の改定は2015年度入試以来の変更になります。
2025年1月に実施される大学入学共通テストにおいては、新教科として「情報」が加わり、現行の6教科30科目から、7教科21科目へ再編されます。(なお、新課程入試に切り替わる2025年度のみ、既卒生向けの経過措置が行われる。) 私立医学部の共通テスト利用については、既に順天堂大学は新教科として加わった情報は”除く”と予告をしておりますが、今後、各大学の動向には注意が必要です。
そのほか、私立医学部の数校が2025年度入試についての予告をしていますが、現時点では大きな変更点はないように見受けられるものの、大学入試センターより公表された「試作問題」を確認すると、新しい学習指導要領を踏まえた、思考力・判断力などを、より重視して評価する傾向が強くなることからも分かるよう、入試の枠組みが変わっていくのではないかと推察しています。
では、医学部合格を勝ち取るために必要なことはどういったことになるのでしょうか?
それは今後も変わらず、「各大学の出題傾向に合わせた対策」とお答えします。実際に私立医学部の過去の入試問題を見比べていただくと分かるように、出題傾向や試験時間、中には、受験科目の選択ができる大学もあるように(例:獨協大学、帝京、杏林など)、大学によって大きく異なります。受験生は志望する大学の過去問を通じ、試験問題と対話しながら「大学が自身に求めていることが何であるか見極めること」。日ごろからこのように志望校に対応できるような訓練をしていくことが、合格のために必要不可欠です。さらに、私立医学部のスケジュールは、一般大学と比較してもスタートが早いことも特徴です。
早い大学では、共通テスト終了後、すぐに1次試験選抜がはじまります。試験日が重複する大学もあり、志望校の策定は慎重に行う必要があります。前述した出題傾向だけでなく、このような入試スケジュールも念頭におきながら、入試本番まで緻密な計画を立てていくことが必要となるのです。
これらは指導者側の能力も大きく関わってくることになります。医学部入試の特性に加え、生徒一人ひとりの条件や個人の性格までを踏まえた指導が必要となってくるからです。
ポッシブルにはこのような医学部入試に対応できる経験豊かな講師陣が集結しています。受験生の「医師への道=医学部合格への道」のスタートラインまで全力でサポートし受験生を合格まで導きます。